本年も大変お世話になりました。来年もどうぞよろしくお願いもうしあげます。
ということで2012年から2013年へと年が改まるわけですが、前回の更新からは選挙があり、原子力政策が推進側へと舵が切られそうな気配となりました。
新閣僚に聞く】茂木敏充経済産業相 原発再稼働「国が最終的な責任を持つ」 – MSN産経ニュース
12月27日の茂木経産大臣の閣僚記者会見では、着工している原発については建設容認、また、新設についても政治判断とするといった発言があります。
個人的には、新規着工や運転再開は、使用済み核燃料保管プールに空きがなくなる、核廃棄物処理についての計画も不十分という現状では現実的ではないと考えます。なので、商業的な原子力発電は廃止するべきと考えます。
しかし、原発ゼロを目指すというのも反対で、核廃棄物処理技術、廃炉技術や核種の転換技術を開発するにあたっては、原発というよりは原子炉を保持することは必要と考えています。
原子力発電というシステムを海外に輸出するとかいう意図もあるのかと思いますが、燃料処理や廃炉技術、核惨事への対応方法といったバックエンド技術を世界に輸出するということのほうが、世界への貢献としては大なのではなかろうかと考えます。
一年いろいろ考えたところの個人的スタンスは上記になります。
で、話はかわるようですが、年末にかけて日航123便の事故について調べものをしていました。というのも、あんまりよく知らなかったのですが、123便の事故は放射性物質輸送中におきた事故でもあるらしいといったことから。ちなみに、この放射性物質輸送については、結局どうなったの、というのが実はよくわからず、、、で、その調べ物の過程で、日航123便事故と、福島第一の事故は類似点があるぞ、とおもった次第です。
日本航空123便墜落事故 – Wikipedia
以下はおまけみたいなものなので、お時間ある方どうぞ。ここまでのかたは、ひとつ来年もよろしくお願い申し上げますー。
新年もので調べたらこんなものが、何だこれは!
123便事故というのは、ざっくりいうと、1985年8月12日、羽田発伊丹行きの日本航空123便が、飛行中に尾翼および油圧4系統を喪失、コントロール能力を失いながら飛行を続ける。しかし、30分後18時56分、群馬県御巣鷹山に墜落。救助活動は難航し、墜落から一夜明けた8時半よりようやくヘリコプターから降下を開始。そのなかで、4名の生存者を発見するも、残り520名が死亡するという大惨事に。
本を読みながら、陰鬱な気持ちになる事故であると改めて感じました。事故は防げなかったのか?また、救助が早くできなかったんだろうか?などと、たらればを思わざるを得ません。
さて、類似点にあげられるのは下記。
その1. 両方とも米国のシステム製品に起因する事故である。
前者は米国ボーイング社の飛行機であり、後者は米国GEが原型設計である。また、それらはモノだけ買ってはいおしまいではなくて、それに付随する技術情報や周辺機器があるシステムである。
その2. 国策企業に近い民間企業が起こした事故である。
日本航空は特殊法人で法律上の根拠のある会社であった。
東京電力は、許認可のいる一般電力事業者である。また、それぞれ天下り先として元官僚を受け入れてきた。。。らしい。
その3. 過去最悪の事故が発生した。
123便では、乗員乗客が520名死亡、しかしながら奇跡的に4名生存。単独での事故死者数としては世界最多。
福一の事故では、3つの原子炉でメルトダウンが発生した。商用原子炉のメルトダウンとしてはTMI(Three mile island)事故以来、原子力発電の深層防護を破る事故としてはチェルノブイリ以来。
その4. 初動体制の遅れと混乱
123便事故では、墜落現場の情報が二転三転して、救助隊の到着と開始が遅れたと考えられている。
福一の事故では、当初の事故対処を民間の運転主体である東京電力が行っていたが、指示命令系統が曖昧となり、水素爆発とされる爆発を防げなかった。
その5. 有象無象の噂が流れる
123便では圧力隔壁の破壊が事故原因とされているが、疑問を持つ人もいる。福一の場合、津波による電源喪失が原因とされているが、地震の揺れの段階で原子炉の機能が破壊されていたのではないかともいわれている。
もちろん、123便事故と福一の事故の根本的違いは、破局が起きる前の問題なのか後の問題なのかということがあります。しかしながら、どちらも政府がちゃんとした仕切りができていたのかと思い、かつ、一般の人たちが政府発表の事柄を信用できない構造にあるというのも興味深いです。
例えば123便事故に関して、事故原因が圧力隔壁ではない、という説が唱えられています。また、救助活動の遅れは、米軍や自衛隊の証拠隠滅があったのではないか、という説もあげられています。
とはいえ個人的には、事故原因は圧力隔壁であり、証拠隠滅はなかったと思います。
では、なぜそのような言説が生まれるのか。それは、政府などの発表や行動がふわふわしていることに起因しているのではなかろうか、と考えられます。
当時の動きを記した本を読むと、米軍が救助に向かおうとしたところ、出動を中止する命令があったとのこと。これは、米軍は惨事に対して救助能力を備えていたかもしれないけれども、日本政府の要請もなく、また、日本側より先行して現場に入ることは国内情勢および国際関係上、難しかったろうと思われます。
すなわち、米軍が日本国内に勝手に部隊を派遣できるならば、日本国土どこでも勝手に部隊が存在できることになり、国家主権を超えた振る舞いになるとおもわれます。また、米国製の航空機事故で米軍が現場に入った場合、これは証拠隠滅につながりはしないかという疑念も生じます。
以上のことから、国内で発生する事態にたいして、米軍と同等能力の日本の軍事的能力がなければ、緊急時の対応の際に米軍にその能力があるけれども出動を依頼できない、という悩ましい事態になることが考えられます。
福一の事故もやはり、米軍が無人偵察機を原発周辺で飛ばしていたとかいないとか。人が乗り込んで飛ばす偵察機ではなく、他国の無人偵察機が日本国内を勝手に飛び回っていたとすると、これはやっぱりちょっとした領空侵犯にあたってしまうだろうと考えられます。
などと思っていましたら、やはり日本で無人偵察機を導入する方向で調整とのニュースが飛び込んできました。
米無人偵察機を自衛隊に導入、尖閣監視強化へ(読売新聞) – 政治 – livedoor ニュース
日本も米国と同様の能力を備えなければ、悩ましい事態になる、、、ということの一つの照査であろうかと考えられます。
事実は単純なことなのかもしれないけれど、ちょっとだけ公にできないとか、少しだけ法律解釈上まずいことがあったりして、うやむやになってしまっている部分があるとすると、我々は疑念を持つのだろうと考えられる訳です。具体的にいうと、金銭の流れがもやもやと想像される場合、なにから陰謀めいた不安を生じます。
なので、本来であればこの部分に対してメディアが突っ込んだ報道をする必要があるのでしょうが、どうもそれも信用ならないのもまた事実でもあり。
そして、話がまたかわるようですが、123便事故が起きたときの防衛庁長官が加藤紘一さん。当時の記録をざっと読んだ限りだと、全然名前が出てこなくて奇妙な印象を感じます。2008年に自宅兼事務所を放火され、かつ、この間の衆院選では落成をしてしまいました。お気の毒であります。ではありながら、この間のNHKスペシャルでは国債について語っておられた。
NHKスペシャル|日本国債
ご自身の著書では、私は口が堅い、とおっしゃっていたので、新たに何も語ることはないかもしれませんが、ちょっと気になる政治家であります。うやむやになっていることを、ちょっとしゃべっていただければ、いろいろとすっきりした世の中になるかもしれませぬ。
などと結局、薮を眺めていながら過ごした一年だったと反省することあり、来年は薮を突っつこう!と思う年越しです。それではよいお年をー。