東南アジアにおける原発計画
さて、以上旅行してきての事だったんですが、両国に共通しているのは、原発はまだ稼働をしていないですが、これから原発保有を検討/計画しています。
マレーシアでは、都市部で発展していますが、地方を含めこれからも電力需要は増えていくものと考えられます。
また、ベトナムについては、停電を体験したように、電力供給は不安定です。さらに、まだまだ発展の余地がある地域だけにやはり電力需要は増えていくでしょう。
おもしろいことに、資料によるとベトナムは中国から電力を幾分輸入しているそうです。日本に住んでいるといまいちピンときませんが、大陸で国境を接している国同士は、当然ながら電力を融通する事が可能といえます。
従来は水力、火力という電源を用いていたけれども、安定的な電源確保という観点から原子力発電所を保有しようとすることもうなづけます。また、エネルギー安全保障の観点からも、電源輸入は一つのオプションとして保持しておくが、供給を絶たれても十分な余剰電力を準備しておくことは重要であろうと考えられます。
しかし、、、これらの計画ですが、放射性廃棄物処理については検討段階であり、研究炉の燃料等は補完しているらしいけれども、本格稼働時の処理については、まだまだ見通しが立っていないような状況に見受けられます。
噂レベルで資料は見つけられないのですが、ベトナムと日本との間で結ばれた日・ベトナム原子力協定において、提供する核燃料を日本に返還する約束になっていると、一部で話題になっていました。これは明文化されておらず、そんなことは無いと思われます。
当事国の考えてる事
しかしながら、別途調査時のベトナム側のベトナム放射線・原子力安全規制庁での調査で、下記の考え方が示された記述がありました。
「将来、極低レベルおよび低レベルの廃棄物は埋設処分する予定である。使用済燃料の処分は ベトナム国内では難しいため、原則的には返還したい。」
http://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2012fy/E001879.pdf
86ページ
うむ、、、という感じですが、持ち込む以上持って帰ってね、という事かと思われます。これは、かつて米国からの提供された研究炉の燃料を米国に返還した例に似ています。つまり技術移転にともなってノウハウや資材を提供するけれども廃棄物の面倒も見るという立て付け。
どの国も原子炉を保有したい、また保有している国があるという状況で、各国が個別にその核廃棄物を処理するのを原則とするのは仕方が無いかとも思われます。
国際共同運用という一つのアイディア
ここで、いずれにせよ地球的、また、後世にわたって影響を及ぼす核廃棄物処理に関しては、国際協力によって技術や知識の共有化を計り、当代で最高の安全水準を維持する取り組みが望まれます。
さらに、ですが、一歩進めると、国際間で核廃棄物処理にあたるという事で、廃棄物処理を請け負うという貿易形態も、実は有り得るのは無いかと妄想もできます。亜細亜核再処理公社的なものの設立なんていかが。
すなわち、現在イギリスやフランスに委託している核廃棄物処理、現在六ヶ所村でも進んでいますがバックエンド処理プラント、これを国際共同運用する事によって、廃棄物処理による貿易なんてどうだろうかと考えます。
もちろん、これを実現するためには、民意形成、技術開発、国際協定等必要ですし、そもそも原発を使わないと発生しない問題ではあります。
日本に関して言うと、もう処理しないといけない核廃棄物はたくさんあるので、それは対処しなければいけない。一歩進めて、日本で引き受けますよ、といったら世の中どうなるだろうな?などと想像します。
こういう施設を、領有が問題になっている、竹島であったり、尖閣諸島だったり、人が住んでるのでアレですが広大な土地がある択捉なんかにつくったら、ぐうの音も出ないのではないか思います。
などとぼちぼちと考えてみたのですが、東アジア、東南アジアは遠くはない世界。関心は尽きません。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/s_noda/vietnam1110/pdfs/6.pdf
http://www.jaif.or.jp/ja/asia/malaysia/malaysia_data.pdf
http://www.tokyo-trade-center.or.jp/TTC/hands_on/deskrep04.pdf
http://www.jetro.go.jp/jfile/report/07000429/vn_energy_report2011.pdf