人間から霞に向う未来

googleが家庭向けに1Gbpsのブロードバンドネットワーク事業に乗り出す旨の報道を受け、いったいどれほどネットワークは早くなったらいいのか引っかかったので、何やらぼんやり考えた。

今のところ、大容量のデータっていうと、映像が主体。でも、人間の感覚は視覚だけではないだろうと思い、人間が外界から受ける刺激について調べてみる。

すると、思いかけず、すごくよくまとまった資料が引っかかったので、参考にしました。感謝です!

http://www.rm.mce.uec.ac.jp/sice/2006HapticsCommiteePPt.pdf

五感についてですが、資料によると、
視覚 107bit/s
聴覚 105bit/s
嗅覚 103bit/s
味覚 103bit/s
ということで、圧倒的に視覚の勝ち。オーダが全然違うので、情報量としてはやはり視覚が大きいようです。
しかし、見逃せないのが、触覚です。資料によると、触覚が得る情報量は、
106bit/s
ということです。
これは視覚といい勝負です。が、オーダがやはり一桁小さい。
なので、これをふまえて深部感覚などをあわせて概算して、仮に人間の感覚を107bit/sとします。

つまり、人間が受け付けられる最大の情報量として、107bit/s = 10Mbpsとすることができます。あれ、以外に少ない!いまのLANの速度は100Mbpsぐらいありますから、如何にデジタル情報を人間の咀嚼できる情報に変換することが大変なのかがわかります。(というのも、映像で実際で注視している部分は限られているし、変化量の少ない情報は認識できないので、大部分の情報を捨てていることになる訳です。)

さて、それでもさらに仮定を続けて、デジタル信号を人間が直接解釈できる=直接感覚器に刺激を与えることができるとします。すると、今回googleが提供する1Gbpsで100人分の刺激を伝えることができます。
各家庭に配信するベーシックな情報量としては、これでどうやら充分ということが推察することができました。

ここで、大胆な思考を続けると、全世界の人すべての感覚を流通させるとどれくらいの情報量になるかということ。
仮に今後世界の人口が増えていき、100億人に達したとしましょう。100億人は、1010となります。これに、先ほどの一人あたりの情報量を積算すると、1017となります。これは、100ペタbpsとなります。10京bpsとも言えます。
これくらいオーダが大きくなると、どれくらいかが想像できなくなってきますが、これも報道を参照すると、NTT communicationsの国際IPバックボーンの日米間の回線容量が300Gbps。すなわち、約30万倍速くやり取りしないといけない、という計算になります。

ということで、なかなか大変ということだけが分かる結果となってしまったのですが、さらに、相互に情報をやり取りすることを考えるとさらに膨大になります。
NTT com社の規模がさらに30万社必要になるのだと考えると途方も無いですが、技術革新のためには、それくらいのスピードアップを計る方法を模索する必要があるのかも。それは多分、量子テレポーテーションとか、一見するとSFじみて聞こえるのですがそのあたりがキーになりそう。

ただし、量子テレポーテーションとかが実現すると、暗号理論が破綻するので、新たな量子暗号化理論なるものが登場して、、、、などと人間という物体から、どんどんもやもやの霞の向こう世界に至っていきます。。。

つまり、感覚をそのままそっくりやり取りするには、どうやらこの霞に期待を託すのが我らの未来。

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