仮想通貨国でバカンス

バカンスというか完全に波に飲まれている状況

雪も積もって寒い寒いと嘆いていたところ、ふとエアコンのフィルタを掃除したところ劇的に改善して原因を探るというのは大事だなと思われた次第。

さて、仮想通貨について「盗まれた」という表現で報道がされていて、儲け話は落とし穴があるねと肝に銘じるとともに、じゃダメかというとそうじゃないんじゃないと思っているので考えてみようという試みとなります。ただし、フワッとしか理解していないため、仮想通貨のはなしなのかBitcoinの話なのかはたまた別の事物なのかについては、やっぱりフワッとします。

結論から行くと、なぜか土地の話に行き着きます。

個人的に仮想通貨、とくに最初からあるBitcoinについては、通貨を国や国のような銀行とかにコントロールされるのではなくて、自分たちで運営するんだぜ、という心意気が好き、という思いがあります。
とはいえ、もはや今となってはBitcoinを手にするにはまさしくエネルギーを投入してマイニングするか、実体通貨で交換するしかないので乗り遅れていること甚だしくて残念。

通貨は信用でできているんだぜ、ともよく言われており、では仮想通貨の信用ななんなのかというと、観念的な信用ではなくて、Proof of Workの結果、みんなが妥当と思う結果となる仕組みに信頼性があると思われているのだろうと思います。その上で、何かの価値と交換するにあたって受け取ってもらえるであろう、という安心感があれば良いということになります。ただし、現状では受け取ってもらえるところがないのと、仕組み上逓減して行く1単位あたりの価値に比べて外部環境との交換時の価値が乱高下してカオスということがあり、残念至極。

一方、今の日本円や米ドルはどうかというと、少なくとも個人的に生まれてこのかた、それらはなくなったことがなく、また、これまでの経験上受け取ってもらえなかったことがないという経験上、信用できる、ということになります、通貨を発行しているのが国なので安心ですね、と今のところは思われます。では、今度は国の信用ってなんだろうかと考えるに、それは国という存在が実感できる、なのではないかと考えます。

具体的に国の存在の実感はどうやってもてるのか。具体的には、土地のない国、というのが存在するのかというと今の所なさそう。国がなくなるということはおおよそにおいて国土がなくなるということとも言えます。なので、通貨を発行しているのが国や国に準ずる何かだとすると、最終的に安堵されるのは土地なのではなかろうかと考えることができます。アメリカと聞いて、自由の女神で、ドル。日本と聞いて富士山に円、ジンバブエと聞いて、ええと、なんだっけで知らない、ということになります。国と土地と通貨がふわっとイメージできるとなんだか心強く感じます。そして、北朝鮮はウォンなのか知らなかった、でもやばくね?と思うと途端に信用できなくなってくるのも面白いところです。

すなわち、通貨を信用するということは、少なくともその国の土地が(今しばらくは)あるということが疑われないということではなかろうかと考えます。これは、そう言われているからというよりもそう思い込む個人的な肌感覚として個々人が捉えるものとはも言えます。将来にわたって受け取ってくれる人が面前に現れる可能性の多寡が信用度です。

特に、通貨と通貨とを交換する場合はその感覚は顕著になります。海外に行くときに、ドルに交換したときには、次の旅行の時には上がってるかな下がってるかな、なんてちょっと気になりますが、ルーブルに交換したときには、はて、これ持っててどうしようという感覚に襲われます。これが素朴な通貨の信用度だと個人的には思います。

で、仮想通貨の話になりますと、仮想通貨国と仮に呼びますが、仮想通貨がその国の通貨となっている国に旅行に行く気分で仮想通貨を日本円と交換しても、まだ特にオイシイものが食べられるでもなく、その仮想通貨国の景色がいまひとつイメージできないのが現状だろうと思います。さらには、なぜだか帰国するとお金持ちになっていたり、すってんてんになている可能性もあるという、かなりデンジャラスな国に旅するギャンブラーな心持ちとなります。これといった名所もないのに石油がとれて紛争になっちゃた、みたいな地域に旅行に行ってらっしゃると。

なので、仮想通貨には実際の土地となる国土もなく、そもそも国でもないですが、一方でサイバースペースの一地域の「仮想通貨国」で流通している通貨なのであると捉えると腑に落ちます。その一地域はまだまだ開発途上の土地なんですよというイメージでいると、仮想通貨を「使って」、そのサイバースペースのなかを旅行したりお買い物したりなんてことをすればいいのではないかと思います。そうして仮想通貨国が豊かになるときっと周辺の土地との交易がはじまって、よりいろいろな通貨と協調した生態系が出来上がるものと想像します。あれ、結果的にやたら観念的になってしまいました。

寒い東京から飛び出して仮想通貨国でバカンスだ!っていうぐらいになりたいもんです。