エレメントとステップはカタチ

エレメントとステップについて。

デザインは結果じゃん、であるとともにプロセスもあるぞ、と考えます。

結果を得る方法は、いくつもあるものだけれど、どの方法を選択するのか、というのを考えなければとも思う訳です。

たとえば、簡単な話として、正三角形を描く、という問題を考えます。小学校やらでは、コンパスを使って、線といエレメントを描いてから、線を引いたりして三角を描きますね。
線分

こんな感じに描けば正三角形を結果として得ることができます。

ただ、方法はこれだけじゃなくて、本当はいろいろあるはず。
そこで、ぼんやり考えてたら、ほかにも描き方を思いつきました。
まるで描く

丸だけで描いていったら、やっぱり結果として正三角形を得ることができました。

どっちがいい、っていうことは難しい問題ですが、例えば、最初の方法だとエレメントとして線分からスタートして円弧を用いています。一方、後者は一つの種類の丸だけで描くことができる。
一方、ステップ数だけいえば、最初の方が簡単といえば簡単。が、後者は、円を描く→移動する→60度回転する→5回繰り返す→交点を結ぶ、と簡単なステップといえば簡単。

美しい、を考えると、個人的には圧倒的に後者なのですが。。。

このようにして、簡単な例を出しましたが、カタチを考える上で、どのように造形を進めていくのか、ということの核心には、上記のようなエレメントとステップをどう操作するのかを思考していくことにあるのではないか?と個人的には思います。そして、その基準は、美しさであったり、あるいは、悪い言い方をすれば楽する方法、良い言い方をすれば合理的方法といった判断がなされるのかと思います。

造形について、エレメントとステップについて考えましたが、実は、デザインという思考をにおいては、カタチのみならず、ほかのことも同じように考えることができるのではないか?そういうところから、もう少しテーマを掘り下げたいと思います。


単純の繰り返し

決まりと連続について。

簡単な決まりが連続して運用されることで、豊かなイメージが生成できることがあります。例えば日の丸的な何かをちょっといじるとこうなります。

hino

で、自分の名前をいじるとこうなります。

ta

だから何だという話ですが、簡単なことで複雑なことができるという考え方は、原子の振る舞いがわかれば世の中が記述できるという、古典的な物理学の世界間とにています。

デザインでは、人間の力によって、様々な対象が決定されていきますが、結果からデザインを分解していくと、どのような決定過程、デザイン原理が適用されたのかわかるかもしれないです。そうすれば万人の万人に対するデザインが見いだせる可能性もあるとおもいます。

ただし、量子力学的な振る舞いは決定論的な過程とは反する振る舞いであります。デザインも、万人が万人で同じことをしても、結局結果がかわってくることも多いです。

量子力学的な振る舞いが、デザインにおいてはどのような振る舞いであり決定過程であるのか、そのことがデザインの学理を構築する上で考えるべきことだと考えています。

このことは、自然の様相が、簡単によて驚くほど豊かな振る舞いへと統合されていく過程と何か近いものを感じさせます。


肺の移植装置

Med GadgetというWEBサイトをちょくちょく見に行きます。

今回、見に行ったら驚きの技術が。

肺の臓器移植の際に、臓器摘出から移植までの間、肺の状態をなるべく生体に近づけようとするもの。

ガラスの容器に肺をおさめ、ベンチレーターに接続され適温で管理するそうだ。

人工肺は、現状では体外循環の際に用いられるのみで、生体の肺と交換するようなものは存在しない。さらに、肺の移植は難しく、3年後の生存率は55.6%との報告もあるそうです。日本の場合は、そもそも移植ドナーが少ないです。

肺移植について

しかしながら、装置のありようがかなり異様なモノを感じざるを得ません。生体である以上は、もう少し、生体の中にある形態に近づけてあげた方が、提供した人も提供される人もうれしいのではないだろうか。

ということを、動画からはびしびし感じました。


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MIT Technology Review