良いお年を2025

年末に1年を振り返るブログ記事をしたためるコンテンツになっておりますが、さて昨年は何を書いたかと振り返るに、やると言っていサーバ新調やれてないということで大晦日に反省する次第です。
すっかり記事を忘れていたのですが、この冬休みにはサーバ新調するんだとちらちらと脳裏をよぎりていたのはこのことかと。

振り返れば今年はいろいろと気になっていた美術館・博物館の展示を思いがけずよく行った・見たなという1年だったということで、ダイジェストでお送りします。


2月


「コレクション展 光の「うつわ」」
富山市ガラス美術館

https://toyama-glass-art-museum.jp/
exhibition/exhibition-6235/

行ってみたいと持っていた北陸の美術館。隈研吾さん設計。街中にあって周りも賑やかで美味しいランチもいただいた記憶あり。

ガラスというメディアは身近だけれど自分で造形したことはないので興味津々。溶ける、くっつく、固まる、光が透るという性質と向き合いと実感。展示会と卒制展が併設でどちらだったか記憶定かでないですがくるくる軽い(実際は重おく脆い)作品に注目。

 

「桃紅の書 書は散なり」
岐阜現代美術館

https://www.gi-co-ma.or.jp/
exhibitions/tokos-calligraphy_a-liberating-flow/

鍋島バイテックさんの会社敷地内にどどんと鎮座する現代美術館。桃紅館と大地館とかがあって2枚目のプールは大地館。書家の篠田桃紅さんの作品を収蔵し、アトリエすら再現した美術館が桃紅館。

書家さんの作品を見る機会はほとんどないため、どうみたものなやらと思いつつも、歳を重ねるごとに自由に表現するもんだなと感じたことと、日々これ創作という生活スタイルをアトリエから感じた次第です。


3月


ヤマザキマザック工作機械博物館

https://machine-tools-museum.mazak.com

かなり渋い工作機械の展示施設。かつ、会社内の巨大な敷地と建物を一般に公開する太っ腹。さすが世界のヤマザキマザックさん。

ヤマザキマザックは工作機械の大手で、機械をつくるための機械、いわゆるマザーマシンと呼ばれる装置を開発販売しています。その事業に関連して、古今東西の工作機械を収集展示しているそうです。

個人的には1枚目のギアを切る工作機械のメカニズムが一見して全く分からず、驚き。これ、今から100年ほど前のアメリカ製機械ですがこのような装置を設計開発できることが国力だよな、と実感。

また思いがけずドレフィスデザインの黒電話の展示があり、界隈の人間としてはみたことあるぞが言える収穫ありました。

関鍛冶伝承館
https://www.city.seki.lg.jp/kanko/0000001558.html

刀鍛冶を調べたいよということで訪問して鍛治仕事を見学。当たり前ですが、熱いのと熱いうちに打て、ということを実感。

おもったよりも鉄の塊は重すぎず、これが刀になって振り回されるのかとおもったしだい。これから、ピカピカの刀になるまでの工程を遥かなる思いです。

ぎふメディアコスモス

岐阜市立中央図書館

https://g-mediacosmos.jp/lib/

伊東豊雄さん設計の素敵建築を紹介はするけどやはりみたことないということで訪問。ゆったりとした内部空間が心地よいです。また、館内各所でイベントごとが開かれているようで、人の集まる拠点として機能している様は街づくりとの接続としても興味津々です。

柳ヶ瀬?がそういえばちかいんですけど、そっちはどうなったんでしょうかという疑問も抱えつつ街歩きはできずに帰ってきたことが心残り。


6月


あいち航空ミュージアム

https://aichi-mof.com

小牧からの搭乗後の乗り換え待ちの時間で見学(出張あるある)。以前もきたことがあるけど当時はMRJ全盛で、亡き今どうなってるかと思いましたがなんの、充実の展示でした。

1枚目はYS-11と復元模型零戦が映ってますね。零戦の整備マニュアルコピーが置いてあって、エンジン整備やら工具箱のレイアウト写真などがまとめられてました。ものではなく整備もありきで飛行機飛ぶよね、ということをいちおうきっちりやってきたことがモノづくりの足腰に繋がるよなー、と感じたことがでかい収穫でした。


7月


「ミュシャ展 ~アール・ヌーヴォーの女神たち」

福井県立美術館

https://fukui-kenbi.pref.fukui.lg.jp/
exhibition/exhibition/archives/87

漫画好きアニメ好きイラスト好きには外せない、ミュシャ展(ムハとも)が福井にということで訪問。

やはり!大きな展示でみるのは全然違って、商業美術・ポスターとしての由来を感じました。展示の流れや設計も綺麗で参考になりました。

写真にはないですが、図案集のようにひたすらパターンやオブジェのスケッチがずらっと並んでいる展示も圧巻で、エスキス大事と感じました。


8月


美濃和紙の里会館

https://www.city.mino.gifu.jp/minogami/

イサム・ノグチさん作品など、和紙といえば美濃、ということで美濃和紙産地を駆け足で訪問。すごく近代的な鉄筋コンクリートの施設で和紙作り体験ができます。

簾に平に繊維を広げるのは難しい、というか、平に枠を持つのがぞもそも難しく、平衡感覚と体勢感覚に優れたアスリートでないと難しいぞという感覚でした。

時期はお盆のころで観光客の方が多かったのと海外からのお客さんも。日本文化は愛されてますね。

 

「初飛行40周年記念企画展「飛鳥」」

岐阜かかみがはら航空宇宙博物館

https://www.sorahaku.net/

exhibition/special/40th_anniversary_aska_2025/

お世話になっている先生からお誘いありで飛鳥展へ!

飛鳥は日本の特殊な国土事情を踏まえて、短距離離着陸できる飛行機開発を目指した低騒音STOL実験機で1機だけ製造されたものです。この実機がかかみがはらに収蔵されています。

何度かきてますが、今回は特別展示を解説付きで!色々と教えてもらいました。それを踏まえて例えば2枚目の写真ですがエンジン出力やカットオフのためのペデスタル、飛鳥向けの特殊なレバーなどが付いていることがわかります。

こちらは年あげ12日までやっているのでぜひみていただけると良いかと!

 

「デザインあ展neo」

TOKYO NODE

https://exhibition-ah-neo.jp

みんなだいすき、デザインあ、の展示会。子どもたちがきゃっきゃしていて、大人もきゃっきゃしています。

デザインというと、出来上がった結果に目が行きますが、プリミティブな「あ!」という感性から問題解決であったり別の視点をもつことが大事、というかそういう営みだよということを誰でもがわかる展示会と思いました。

という、展示が綿密にデザインされているんですよといういのが、なんとも心憎い取り組みです。

 

「山本理顕展 コミュニティーと建築」

横須賀美術館

https://www.yokosuka-moa.jp/
archive/exhibition/2025/20250719-939.html

建築家 山本理顕さんの大規模展覧会。ご自身の仕事である横須賀美術館で開催され、内部空間からレストランのテーブル越しに海を眺められる窓というか合間の設計にノックアウト。建築と土地と営みとの造形化に興味がつきません。

初期の住宅設計や集合住宅ににおける構造と形態の探究もありながら、大規模になるにつれてカタチではなく在り方を仕切っていく、ような建築物になっていくような印象でした。

展覧会で引用されていた文献を課題図書として持ち帰ってますが、全然読み進められないで年越しを迎えてしまった。。。(集落の教え100 は読み終えたけど。。)


10月


「ioft2025 International optic fair Tokyo 」

東京ビックサイト

https://www.fashion-tokyo.jp/hub/ja-jp/to-visit/award.html

メガネの展示会、見学できました。今後については何ともですが、歴史をつくってきたこの展示会の雰囲気を見れたことは貴重でした。


11月


「ジャパンモビリティショー」

東京ビックサイト

https://www.japan-mobility-show.com

iOFTとは会場は一緒だけども規模が10倍以上のこちらの展示会。東京モーターショーからジャパンのモビリテイィショーとタイトルとコンセプトを変えて、未来の消費者や作り手となる子どももグッと意識がを高めることのできる内容が並んでいるのかな、と感じました。

販売の前のビジョンを魅せるというという点が、今後のフィジカルな展示会をする意味になるのかなと考えました。というのも、HONDAさんはいきなり陸海空+宇宙の展示になってて、モビリティやん!と膝を打つ感じでした。

あとはやはり話題のセンチュリーブランドは日本の極みと思わせる内容で眼福でした。

DESIGNART

https://www.designart.jp/designarttokyo2025/

会期中に各所で展示がなされるイベントで、色なところにいって色々とくたびれたぜ、、という。

ただ、こういう機会がないとみれない例の3Dプリンター(?)でつくった2枚目写真の大型の造形物をみたり、1枚目の写真のように薄板の曲げのアイディアなどに触れたり。

他に、アアルトのショップにいったりKen Okuyama ショップにいったり、それでもって話を聞けたことは大いに収穫でした。ありがたいありがたい。。

「Good Design Exhibition 2025」

東京ミッドタウン

https://www.g-mark.org/
learn/past-awards/gda-2025/gde2025

こちらも久しぶりにGood Design Awardの展示会に。そういえば、むかーし、展示しに来た記憶が蘇りました。

関係者の受賞がありで展示されていると喜ばしいのと自分も置きたいなーという気持ちになります。

また、周辺でもデザイン系の展示があって、ISSEY MIYAKEさんの展示が21_21 design siteでありましたので見物に(2枚目)。美しい。。

「第72回日本伝統工芸展金沢展」

石川県立美術館

https://www.ishibi.pref.ishikawa.jp/
exhibition/exhibition-17435/

写真が撮れないというので看板だけで地味ですが、毎年金沢でも展示しているのでありがたく見物させてもらっています。

今年の衝撃は四代目 田辺竹雲斎さんのCAD?計算?を用いた造形。存じ上げなかったのですが、伝統的な世界に最先端技術を取り入れてかつ、この古典的な展示会に出してきたということで、めちゃくちゃ興味深く思った次第です。

動画がありました

三条鍛治道場

https://kajidojo.com

出張の合間に、ワークショップを体験。刃物産地の1つとして有名な新潟県の三条市地域で、図書館の横に施設があります。(ちな、図書館は隈研吾さん設計)。

以前図書館に来た時にも施設があるのは知っていたのですが今回はちゃんと体験しようということで訪問しました。

体験したのは、この地域ならではの和釘と、五寸釘をねじねじして作るペーパーナイフづくり。小学生でもやるよということで、簡単かというとそうではなくかなり難しい作業、丁寧に教えていただきつつ、そこ持っちゃダメ!と叱られながらなんとか完成しました。実感するのは「鉄は熱いうちに打て!」でした。

「THE奇談 妖怪絵師マット・マイヤーの世界」

福井新聞社 風の森ホール

https://fupo.jp/event/thekidan/

若干のお手伝いをもしましたが、展示見学。かなりイカしたイラスト作品で、見応えたっぷり。これは、新しいIPとして価値創出に繋がっちゃうんじゃないの?ということと、福井県の説明を日本海側から眺めたイラストがあって、これはあたらしい見方として目から鱗の新鮮で、参考にしたい!と思いました。

天然砥石館

https://www.tennentoishikan.com

京都 亀岡にある公共施設の一角に、名産品であった砥石のフューチャーする建物が。なぜかふるさと納税で昨年体験したいと申し込んで、期限が切れそうなので滑り込みで体験しました。

包丁を持ち込んで、研ぎ方を手取り足取り(?)教えてくれます。最初にマイクロスコープで刃の状態をしっかり観察してから研ぎ始めて結構本格的。教えてくれたのは地元の教育機関で工芸を勉強しているお姉さん方でそっちのお話も興味深かったです。あと、最初はアメリカで料理人やってるという兄ちゃんと一緒に包丁研ぎはじめました。

研ぎ上がりはどうかというと時間切れで最後は店長のお姉さんにちょっと託して完了。小型砥石ももらって帰りのバスにギリギリセーフ!(店員さんも一緒に体験したおじちゃんも、お店終わったら車で送ってくよ〜とは言ってくれてました。感謝)

なんだか、研ぎ仲間なるものの存在があるらしいことを知る経験でした。

なお2枚目はなぜかボルダリングウォールが隣にあって、時間潰しで登ってみている図になります。

 

「民藝誕生100年—京都が紡いだ日常の美」

京都市京セラ美術館

https://kyotocity-kyocera.museum/
exhibition/20250913-20251207

例の仏像と例の猫です。というのが、見れる!写真を撮れる!ということだけで嬉しい展示会ですが、美術館とその庭園なんかも美しく、来たことなかっただけに盲点でした。

民藝については、個人的にはまだ捉え所のない感じもしまして勉強中というもあります。関東においては白樺派、手賀沼の別荘地などの歴史もあって、市井の営みと、ハイカルチャーの文化と、民藝との関係がどうもうまく整理できないこともあり。

ということもありますが、やっぱり河井寛次郎さんの作品に出会うと、なぜだかおおぉと思います。(というのを知人も仰ってて良かったなと思ったねんまつです)


12月


「柚木沙弥郎 永遠のいま」

東京オペラシティ アートギャラリー

https://www.operacity.jp/ag/exh291/

民藝わからんといいながら、民藝的な作家さんとして最近亡くなられたサミローさんの展覧会。

絶対、ゆずきって呼んじゃうんですが、ゆのきさんだと今回の展示会で深く脳裏に刻み込みました。

たまたま、前週に長野にいってのですが長野出身だということでまずちょっと驚き。旧制高校ー>東大哲学という実はめちゃインテリなのでは。。。とも思わせる経歴。

染色によるテキスタイルパターンや、大胆な造形のグラフィックデザインなどは素朴さや手仕事の感覚を大事にしたもので、好ましさに繋がっているんだと思います。が、個人的には、それはそれとして、実際は技法や色彩理論を背景にした精緻な技術をもって、大胆さや素材感や素朴さを創り出しているんでなかろうかと感じました。で、後年になるほどのびのびと自由に造形をしていることも、なんだか人気の理由の一つと思った次第です。

「知覚の大霊廟をめざして——三上晴子のインタラクティヴ・インスタレーション」

NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]

https://www.ntticc.or.jp/ja/exhibitions/
2025/toward-a-mausoleum-of-perception-
mikami-seiko-s-Interactive-art-installations/

メディアアートです。メディアアートといえばICC。で、三上さんは存じ上げなかったのですが、今回体験できるということで訪問。

予約制の体験はできなかったのですがそれでも大満足。

いずれも、技術、特にエレクトロニクスや通信、機械工学といったハードな技術を知覚や感覚とどう接続するかという取り組みが個人的は好きなのとと、今回の作品群はそれがテーマになってるなーと感じました。

技術を見ることと技術に見られることと言ったらいいんでしょうか、その関係を、プリミティブな造形で魅せる、というところにメディアアートの醍醐味や美しさがあるんではないかなー、と考えて、自分もやってみたい!になってます。

「織田コレクション ハンス・ウェグナー展 至高のクラフツマンシップ」

ヒカリエホール

https://www.bunkamura.co.jp/museum/
exhibition/25_wegner/

展示の規模、展示の方法、展示の流れ、それぞれでもうノックアウト。すごい。展示は建築家の田根さんということだそうなので、その効用なのかもと。

ハンス・J・ウェグナーさんは家具のデザインでは有名で、多分見たこと座ったことある椅子が多数あるはず。

で、この椅子類、に限らず名作イスを蒐集収蔵している織田さんのコレクションがどどどっと展示されています。ちな、去年のポール・ケアホルム展もそのはず。

個人的には自身で作り方の解説をしている動画が流れていて、どうやったら強くなるか、どうやったら快適に座れるか、どうやったら作れるか、という、デザインの基本的な思考をドローイングを用いて淡々としている様が映し出されていました。たぶん、華美であったりは目的でなくて、副題にあるような「クラフトマンシップ」という精神に根ざしているのが日本人の琴線に触れるだろうなと実感しました。

とはいえ、あらゆる造形の触れる部分の造作は美しいぞとおもいながら眺めて歩きました。それでもってくたびれた後には、着席体験ができるんです。

 

「拡大するシュルレアリスム視覚芸術から広告、ファッション」

大阪中之島美術館

https://nakka-art.jp/exhibition-post/
surrealism-2025/

シュールってよく使うようになったけど、ナンセンスとか面白くないとか通好みとかetcで原意は恥ずかしながらよくわかってない状態。で、今回シュルレアリズムということでどんなもんかなと思っていたところ、「超現実主義」ということどで、現実を超えるんだなと理解。なんだかわけわかんないけど惹きつけられる、ということは共通的な何かがその美術表現にはあるんだろう、それを探すん旅の展示と理解しました。

個人的には、ダリ!マグリット!デュシャン!え、イサム・ノグチも?という内容で初心者としての情報整理ができたというのが収穫でした。

 


終わりに

  • ちょこっとメモを書くだけのつもりが結構なめんどくさいことに、こまめに記事化することが思考の整理するにも大事だよねと反省
  • まとめてみると改めていろいろ行っているけど、今年は航空祭的なイベントには参加していないのも美術展が増えている一因と分析
  • 都会に行くとある意味ついでに展覧会見よう見ようと思いつつ、展覧会を見るつもりでもっと地方に足を伸ばすぞ!と思った次第。具体的には鳥取島根を制覇したい、石見銀座、和紙、コナンあたり。

またまだ、ログしておきたい出来事はあれども以上として、本年もお世話になりました。皆様良いお年を。


デザインと医学とアイソタイプ

Tokyo metropolitan. Age groups and COVID-19 confirmed cases
Tokyo metropolitan. Age groups and COVID-19 confirmed cases.東京都の世代別年齢構成と2020年5月9日でのPCR陽性数(COVID-19の感染者数)をアイソタイプの考え方で絵にてみました。

ひょんなことから調べもの中に新型コロナウィルスに合わせたネタが出てきたためのメモ。アイソタイプ(ISOTYPE)について。デザイン作業の事前研究として絵文字について調べていたところ、そういえばインフォグラフィックとかあるなと思い出して、検索したところ、新型コロナウィルス COVID-19関連で、医学領域でもISOTYPEという言葉が使われているということで驚きまして調べものです。

デザインにおけるアイソタイプについて

オリンピックは延期になっちゃいましたが、日本では1964年の東京オリンピック時に整備されたピクトグラムが取り上げられたり、みんな毎日リモートワーク、ということでコンピュータのGUI設計におけるアイコンなど、グラフィカルに情報を伝達する手法がデザインとして認識されています。

図的に事物を表現することは古来より行われてきたのですが、これに数学・科学的な数量的な表現を目指した近代の取り組みとして、オットー・ノイラートさんのISOTPYEが業界では知られています。

ISOTYPEというのは、International System of Typographic Picture Education の略で、国際的かつ教育的な意味があります。そのため、ピクトグラムやアイコンは表現、指示する事柄を表します。その上で、ISOTYPEの概念と目指すものは統計情報などを視覚化し、比較や経緯を表し、学びに繋がる試みでありました。

この、図と図との関係をグラフィカルに表現することは、文章によって表現するよりも直観的であるために、理解しやすさや教育効果が高いものとなります。また、Internationalといった国際的な試みとして、言語や文化によらず、普遍的なコミュニケーションや情報共有にも図解が役に立つため、いわゆる表やグラフを読み解く言語的なギャップを減らせることも、アイソタイプの概念では重要なポイントとなります。

アイソタイプ | 現代美術用語辞典ver.2.0 – アートスケープ

なお、調べものをしてると、オットーノイラートさんのアイソタイプについて書かれた本がありまして、こちらから原書が読めます。インターネット素晴らしい。

International picture language (1936 edition) | Open Library

医学におけるアイソタイプ

一方、アイソタイプをネットで検索をすると、抗体の種類として、アイソタイプという言葉が使われていることがわかります。抗体とは、人をはじめとした脊椎動物が持つ細菌やウィルス等の病原体に対して、それら病原体を排除する免疫システムにおいて、病原体を識別することに役立つ体内で生成されるタンパク質となります。

この、抗体は、その構造の違いから種類が分かれており、ヒトの場合は5つのタイプがあり、違いをアイソタイプと呼ぶそうです。

抗体が病原体を見つけると、くっついて無害化したり、他の免疫系を助ける役割を担うとともに、一度出会った異物を覚えて、次出会ったときに対応できるように体はその異物に合わせた抗体の産出を増やして備えるそうです。

さて、報道でもCOVID-19でも抗体検査がPCR検査と並んで議論されているようですが、この抗体検査によって主にアイソタイプの異なる、IgMとIgGの検査をするそうです。

IgMは、感染初期に、抗体は最適化されていないけど、とにかく対応するぜ!と産出される抗体だそうで、IgGはその後に、おそらくは当該ウィルスによく適合するよう生じる抗体とのことです。

コロナウイルス感染症と抗体検査・PCR検査 | MBLライフサイエンス

IgGが検出されれば、COVID-19に対する抗体ができたといえるので、再感染しないのではないか?と言われているそうです。なお、ウィルス感染に対して、基本的には免疫の働きで体内のウィルスを増殖させない、その結果重症化させないということが治療方針となろうかと思います。PCR検査は、ウィルスそのものを検出する技術だと思いますが、それ自体では治るとか治らないとかは議論できないわけで、かつ、PCR検査で陽性であっても、抗体を備えているからそもそも感染(というか発症)しない、ということはいえるのかと思います。

そして集団免疫というのも議論されていますが、このCOVID-19に対する抗体が集団内で一定数存在すれば、仮に抗体を持っていな人がいても、抗体を持つ周りの人に移ってもウィルスが増殖せず、自然に収束する状態になるということで、ウィルスがなくなるわけでも感染しなくなるわけでもないのは注意が必要です。

医学とデザインをアイソタイプ的に融合するのと思うこと

以上の調べもので満足はしちゃった部分はあるのですが、せっかくなので、冒頭に貼ったようなISOTYPEの考え方で、東京都の世代別人口と、世代別のPCR陽性数の図解をつくってみました。

データはこちらから取得しました。

東京都 新型コロナウイルス陽性患者発表詳細 – データセット – 東京都オープンデータカタログサイト
東京都の人口(推計)トップページ

人口に比して若年の感染程度が言われているようにやや高いようにおもわれるので、この世代の人がアクティブになるとなかなかヤバイといったみえかけになっています。

なお、他にも、都道府県の人口密度や死亡者数などでも分析を行ってみたのですが、北海道が突出する計算になったり、思いがけない県がヤバそうであることがわかり、意味がありそうか考える次第に。

そして、本を読んだりする限りでは、デザインにおけるアイソタイプは簡単そうに「見える」のと、意味がありげなのですが、一方でデザイン制作をするにおいては、

・どこまで正確に表現するか?
→人数の切り上げ切り捨てとアイコンの見せる割合の関係が難しい

・比較する事柄は正しいか?
→そもそも人口構成と陽性数を比較することにやってみてやや無理があるのでは、と思った次第

・全体を意識してから始めないといけない
→たとえば、ピクトグラムをどれだけ並べられるかを事前に計画しないと破綻する。そのため、時々刻々と変化する事柄を更新する手法としては、思想としてのアイソタイプだけではなく、別のグランドデザインが必要。

など、デザイナーの恣意性が多分にはいっているのと、デザイナー一人では難しい作業でもあるぞ、と思い至りました。

サイエンスの視点とデザインの視点で作り上げていくという「プロセス」にインフォメーションデザインは必要とおもいました。一方で、COVID-19に関しての各種報道やデータはデータの比較は解釈が直観的ではなかったり、関連情報と並べないと意味がないデータが一人歩きしているのではないかと、作業をしながら改めて思った次第です。

一方の医学や科学には、このような状況下で、誰もが納得できるような基準や指標をグローバルに共有するには、いろんなチームの中で、これはデザイナーの役割の余地がありそうですよ。

他の参考文献

感染症とは?がざっくりわかって面白いのと、マスクの効用について議論されていて興味深いです。欧米や中国語の発音で飛沫が飛びがちではという議論は今となってはなかなかたいせつな議論です。

結果的に英語読んだ後にとどいたので、読み解きと翻訳があっていたり、ああ、そういうことが言いたかったのねと答え合わせしました。BASIC ENGLISHの紹介や図表とか付録的に豊富でみていて楽しいです。ただし、ちゃんと読み解こうとするとこれは大変な作業が待っていそうです。


“お時間”が必要 / 直感の自信

アートと音楽
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あけましておめでとうございます、というか、寒中お見舞い申し上げますな1月終わり、思うところあり美術館にいってみるなど。

東京都現代美術館で「アートと音楽」という展覧会をやってます。来週末で終わりということなので、そういえばということで久しぶりに足を伸ばしました。

結果、超絶かっこいい!とおもっていた池田亮治さんの作品をまた観れたのが収穫。数年前に同じ東京都現代美術館でやっていた展覧会に衝撃を受けた記憶がよみがえりました。

とはいえ、思うところありいった美術館ですが、そこで思うところは、美術館はやっぱり音楽を鑑賞する場所ではあまりないな、、、ということ。そういうことをまず考えます。

一般に音楽が時間によって得られる芸術である一方、絵画は空間によって得られる芸術であるためがまず思い当たること。もちろん、音楽はその音場・音場によって音がどう感じられるか、また、絵画は時を経ることによって生じる変化によって得られる事柄があることは事実。

しかし、美術館では、主に観るものを納める箱として機能しているため、Aという部屋でBという音楽を、あるいはXのとなりにはYという音楽を、という展示がなかなか難しい。また、それを実現しようとすると防音室をいくつも作るのか、とか、ヘッドホンを使うなどになって、美術館の建築形態では対処できない、どうもぎこちない感じになってしまうようにおもいます。
言い換えると、絵画なら、見れば見えるし目を閉じたら見えない、一方、音って、耳を塞がない限り文字通り耳に入るんですが、意図して耳に入れるというのが大変だなぁと思うのも、展覧会を通じて感じたことの一つです。

そういう意味では、音楽を空間に釘付けにするという試みがすなわち芸術なんだろうということが考えられます。その結果、視覚的に興味深いのは、音の絵画化や新しい楽譜の試みだったりしました。
現代においては録音技術があるために、音そのものの再現は決して難しくはなくなってきています。しかし、楽譜といった記号にもどづく音楽の伝達は、指示している音と指示された結果が果たして一致するのか?というのはまた別の次元の話であり、そもそも音楽というモノが過去から未来へと受け継がれている事実に対して、実はすごいことなのではなかろうか、という気持ちになります。

デザインの観点からは、図面やデータに基づいてモノが出来上がるというプロセスに似ているな、ということ。例えばコンピュータのデータはデータを再現して記号を認識するという意味においては同一ではありながら、データが物理的なモノになる、例えば年末に印刷するような年賀状というのは紙やプリンタといった印刷状態が異なれば異なったものになります。
同様に、音楽も構想するということと再現するということについては全然別の次元のアートが存在するし、その違いに対して新しいアイディアや観念が生じることに面白さがあると考えます。

だったら指向性スピーカーや音場のコントロールによる空間と音との関係でできる音の世界を作ってみたいなぁ、などと妄想する展覧会でした。また、音楽と映像などが関係する作品は空間がないとできないのが痛し痒しでそれに適した芸術館的な公共建築を期待しちゃいます。

そもそも芸術としての音楽とアートとの関係を考える、なんてことは日頃の生活をしている限りほとんどあり得ないことなので、そのトリガーがとして展示があるだけでやっぱり新鮮な気持ちになりました。

2月3日までなので、お時間あるかた(ほんとに”お時間”が必要なので)はオススメの展覧会です。

で以下は、おまけみたい、ではありながら、!、と思うことです。

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