音楽とカタチ

音楽とカタチの関係を最近考えてます。というのも、情報やデータは何ぞや、という事をやっぱり考えてしまうから。
だからつくりながら考えようという習性からQuartz composerで音楽をカタチにする手法を模索してみています。

これが思いのほかきれいなグラフィックになりました。

試しにつくったやつその1、Underworldさんの曲を絵にしてみたもの。Trainspotingのエンディングですね!そして、これってもう十数年前の曲なのか。。。ショック。

試しにつくったやつその2、De De mouse さんのdouble moon song。これ、ノイジーなのだけれど、なんだか好きです。なぜ好きなのか?という事を絵にしてみたら少しわかった気がします。

他にも坂本龍一さんのピアノ曲やロック系の音楽などを試してみたのですが、これはもう一つしっくりこない。どうもこれらの楽曲の場合は、ぐっときている観点が異なるのかも、と考えています。ここをカタチにするとまたちょっと違う絵が見えてきそうと考えているこのごろです。

さて、最初の関心である情報やらデータやらに関してですが、こういったモノをつくってみて考えたことは、文学や音楽や映像というコンテンツと技術との関係について。先進諸国では生活用品を開発して生産して売るといった段階から、主たる産業が向う分野が、どんどん必要なのか?とも思える分野にシフトしているように感じられています。
例えば、11月末までテレビに補助が出ていましたが、そもそも必要なモノかと言われると難しい。また、電子書籍やスマートフォン、ソーシャルネットワークなどの黎明の最近ですが、これまた必要かというとそうでもない。これらはすべてなんらかで代替できるはずのモノです。
当然ながら、これらは文字、音、映像といったコンテンツを再現する手段でしか無い訳です。が、あたらしい技術がある事によって、逆にコンテンツの生成にも影響を与えています。現に上記に張った映像は、映像共有サービスを利用していますし、左にあるtwitterフィードはほとんどiPhoneで出先で書いています。このように、技術でモノやシステムができることによって触発された私がいます。

このように考えてきて、いきなり突飛な発想をするならば、ビジネスにおいて従来型の地球資源の収集と変成による商品生産とは違う次元ながらモードが同一な、人間の思考そのものを資源とし、それを収集し変成する商品生産、という形態が成り立つのかもしれない、とぼんやりと考えます(夜更けなので。。。)ビジネスチャンスというのは、こういうところに落ちているのかもと。

もう一方で、芸術工学という学問があるとするならば、まさしくこのための学問であると再定義できるのではないかとも考えます。すなわち、バウハウス型の生活と芸術という観点から踏み込んで、芸術そのものを目的とした工学へと突き詰めてみることもあり得るだろういえます。もちろん、この傍らには、それを感受する肉体も対置することでより明確な地平を描けると思います。

ということを考えながら、まずはどうやった音楽と個人的感性に合致したカタチができるだろうかと、つくって考えようと思う訳です。

Underworld

DE DE Mouse



中国のデザインとネットと模型店

しばし中国に。今回は中関村という、北京の電脳街とよばれるところへ仕事のようなものでしばし行って参りました。タイミング悪く、反日デモということも報道されていましたが、北京では至ってへ平穏。親切な人は親切だし、愛想悪い人は悪い。そういうもんです。

さて、今回も結局のところは中国におけるデザインについていろいろと頭を悩ませたのでいくつかのトピックと考察を。

1)立体
まずは、プロダクト関連について。
デザイン制作をするための資材入手、具体的にはスプレー塗料入手で困りまして、いろいろと探しまわりました。日本だったら、東急ハンズとか大型ホームセンター、100円均一ショップなどでいろいろと手に入りますが少なくともぶらぶらしているだけではそういったお店が見つからない。で、スプレー塗料はある事にはあるのですが、下塗り用のプライマーがない。

model shop
model shop in China

電脳街だからきっとなんかあると思ってググってみたところ、見つかりました。新?模型というお店。こちらは飛行機や戦車などのスケールモデルが専門のショップで、なんとMr.hobbyやTAMIYAのスプレー塗料がそろってます!北京でプラモつくろうとはなかなか思わないですが、必要があればぜひ。

ちなみに電脳街の電気店、巨大なことに驚きますが、基本的には個人商店のあつまり。同じ商品がいろんな店先で売られているので、どうかっていいのかは全くカオスです。また、奥の方を探索すると、人の手で古い基盤から1/4ピッチのチップの半田を溶かして外してる人も。。。すごい。

2)ネット
ネット事情について
それなりにwifiが拾えますし、空港でもOK。しかしながら、やっぱりしばしば切断されます。Googleで検索すると、中国国内だと基本的には中国のgoogleで検索がかかります。で、twitterやustreamはインデックスには表示されますが、接続はできません。
なので、中国内でなにか検索するなら中国内のサイトで検索するのがよいのかも。

また、そういう事情から、Facebook等も使えないため、中国国内でのSNSが発達しています。いろいろあるらしいのですが、例えば、Facebookとそっくりサービスで人人(renren.com)というのがあります。登録したものの、基本全部簡体中国語なので、意味はふんわりしかわかってません。。。昨今話題になっているSNSアプリも豊富にあり、すごいビジネスになっている模様。三国殺というアプリがはやっているらしいです。
それに、スマフォ対応で物議をかもすメッセンジャーではSkypeがあります。これは中国でも使えるのですが、QQというほうがメジャーだそうですよ。

そのほか、中国国外にいるとあんまり使う機会がないとはいえ、遮断されているからこそ独自の発展を遂げている中国は注目です。ディープです。

3)グラフィックデザイン
こちらも悩ましい、中国的なグラフィックデザインです。写真やレイアウトはいいとして、やっぱり問題になるのは、文字。黒体や宋体についてはわかるのですが、その他のフォントについてはどうしたのものかと。で、次に見つけたのが??体(漢字が出ない。。。)という書体。なんか中国的な気がします。よかった。

Chinese typography
Chinese typography book

他にも勉強しようと書店に行ってみたのですが、ここでも驚きです。以前みたときにはあんまりないなと思っていたのですがさにあらず、中国語のデザイン本やコンピュータ関連書籍が山のようにあります。しかも、グラフィックデザイン関連の書籍に関しては、教本としての大学などの出版会が出している本がたくさんあります。思わず数冊かいこんで研究中です。(読めないのですが)。

そんななかでも面白いのは、漢字で書かれたタイポグラフィの事例として、かなりの数の日本の作品が乗っているのです。進め!電波少年とかのってて、なんと懐かしい!と思ってみたり。
さらに、インタフェースデザインの例としてGirls Genelationのwebサイトがのってたりと、なかなか楽しげです。

4)デザイン教育
最後にデザイン教育について。
少しデザイン系の学生の方と絡む機会があったのですが、その優秀さに驚愕しました。英語しゃべれるのは当然として、作品の完成度がすごくたかくて、こりゃいかん!と思ったしだいです。
大学は清?大学というのは中国で一番にランキングされる大学だとwikiにかいてあり、東大とか京大とかそういう大学だそうです。構内にも少し侵入しましたが、北京市内に広大なキャンパスがあり、よい教育環境です。大学組織は面白くて、日本なら学科レベルの機械工学とか建築とかが大学組織直下として一つになっています。

その大学内に、美術系のアカデミーがある訳です。欧米の大学では総合大学では美術系の研究科がありますが、日本の場合はもっぱら美術大学として独立しています。たとえ美術系があったとしても、文学部の中に組み込まれたりしていて、全然その価値がわかられていないようです。

ちなみに、この大学の名前がついた清?大学出版社というところの本も入手しました。イラストレータのテクニック本で、日本では書籍になかったり、大学の名前がついたような本では絶対扱わないアプリケーションのハウツーをどうどうと記載しています。

こういったテクニックを大学教育で教えているのかと思うと同時に、最高峰の大学で経験することでの人脈や知識というものをふまえると、デザインの国際的競争力において日本の立ち位置は厳しいなと感じざるをえなかったりします。

ただし、一つあげるとすると、実務的なデザインは世界の工場としてますます存在感をましていくことは自然な流れと考えますが、かたや社会的な観点からのデザインが今後どのように展開していくかに今後注目するべきかと考えます。
これは個人的には、中国人の国際的建築家が出現したときに変化が起こるのではないかとかんがえています。例えば北京五輪では欧米建築家がフューチャされていましたが、一方東京五輪の際には日本人建築家にデザイナーが最前線で活躍していました。こういったことが、今後中国で起きるか否か。
逆に、どこまで日本などのデザイナーが先きにいけるかというとこういった分野かもしれないと考えます。

などと、結果的にはまだまだ修行が足りんなーと思った次第の中国レポートでした。