あけましておめでとうございます。ことしもどうぞよろしくおねがい申し上げます。
で、さて新年なにを書こうかと実は考えあぐねて、はやくも過去を振り返ってしまったのですが、昨年前半は比較的抽象的な思考でほほう、とおもったのですが、あとは中国ネタと展覧会ネタばっかだな、と。
実際のところは昨年末はひたすらアクリル板の端面をヤスリでみがいたり、電子機器を手動で数百台アップデートしたりと、比較的不毛だったので、旅立とうとおもいます(精神的な意味で)。
精神的に旅起つという事で、以前にも書いたのですが戦場カメラマンになりたかったな、という事を思い出しました。去年少しはやったし。これを掘り下げてみよう。
これだけどんなデバイスにでもカメラがくっついてしまう昨今、カメラマンさんと一般人との違いは何なのか?そして、普通のカメラマンさんと戦場カメラマンさんってなにか違うのか?という疑問がわきます。普通のカメラマンさんが戦場にいたら戦場カメラマンさんなのか?それとも。戦場カメラマンさんがデパートにいたらデパートカメラマンさんなのか?などと考えていると謎は深まるばかりなのですが、まずは当たり前に実用的考察をすると、戦場の特殊性があげられます。亡くなる可能性が高いということです。
戦場の場合、戦闘が行われているので、そこにいると危ないのはあたりまえなのですが、いちおう国際法上、非戦闘員を攻撃をしてはならん、ということになっています。普通の人は巻き込むなということです。よって、非戦闘員である戦場にいるカメラマンさんは非戦闘員ということで攻撃の対象にしてはならんはずです。
ところが、よく考えると非戦闘員という位置づけもあいまいなところがあります。例えば戦闘員でない健康な男性が今にも入隊しそうな場合、これって非戦闘員なの?どうなの?というのはまずあいまい。武器を持ってなければOKかもしれないけれど、非戦闘員でかつ狩人で鉄砲もっていた場合は。。。なぞ。カメラマンさんの場合、軍事機密を撮影した、とするならば、敵対勢力に利するおそれがあり、まずは関係ない人ではなくなります。でも戦闘員ではないので、攻撃はしてはいけないはずです。しかし、このカメラマンさんがなぜか調理用の出刃包丁を持っていたとすると戦闘員となりうるかも。。。微妙です。
また、そもそも内戦の場合、どちらかというと犯罪者集団の争いに近いはず。わかりやすくいうと暴力団の抗争で流れ弾にあたった場合、犯罪行為を行っているさなかに飛び込む方も悪い、といわれても仕方ない位置づけに。
などと考えていくと、戦場カメラマンさんというは、非常に起ち位置があいまいなまま、戦地に赴く奇特なカメラマンの方、ということになります。そしてまたいうならば、戦場になってしまった場所にいたブライダルカメラマンさんは、戦場に自ら進んで赴いた訳ではないのでそのままでは戦場カメラマンさんでは無いだろうと言えます。
では、戦場カメラマンさんの定義はおおよそできたところで、戦場カメラマンさんに新規参入するとしたら市場はあるのだろうか?ということを勝手に考えます。見渡してみて実は戦場カメラマンさんがいない戦場があります。
一つは、空中戦での戦場カメラマンさんは未だかつて聞いた事がない。そもそも、戦場に赴けないというのが当たり前な理由なのですが、戦闘機なんてあるいみ花形の分野なのに、不謹慎ですが野次馬もいないのもどうかとも思われます。機動性はおいておいて戦場に乗り付ける足としてジェット機を用意するとすれば、中古で数十億円。実際に写真におさめる事ができれば、コストとか勘案すると一枚数億円といったプレミアになったりするかも。
もひとつは、海中。当たり前ですがそのような写真は全然ない。そもそも民間で使える潜水艇ってほとんどない。加えて、ヒカリが届かない深海では、撮影もおぼつかない。でも、これも撮影できたら前人未到のはず。
最後に思いつくのは、IT関連に関わっている以上外せない、情報戦の戦場カメラマンさん。もはや、戦場があっちの世界になっちゃうのですが、日夜戦闘が起きているはず。何をどう撮影するのかすら全くわかりませんが、未だかつて無いカメラマンさんになれること間違いない。
などと新年から結構無駄な事を考える旅にでたのですが、これだけいろんな写真を撮影してそれを公開する方法が技術によって簡単に誰でも使えるようになっているにも関わらず、いまだに見た事がない画像が世の中にはあるなと妄想から考察する事ができました。
また、一方で、だからこそ戦場や僻地で写真を撮影するという事は、金銭だけではなく、莫大な意志のコストもかかっているということにも思いいたります。日頃接する視覚情報にたいして、見ている起ちいちから何を引き出すか、こういう事を考えようかとする年始の夜です。