報道によると、米大統領経済諮問委員会(CEA)が、医療保険改革の経済効果に関する報告書を発表したとのこと。
医療保険関連費用を年間1.5%押さえることで、GDPの引き上げが可能になるとのこと。
日本の場合なら、国民医療費が下がるのかというイメージになりますが、アメリカの場合はあれっと思うことがあるのでメモを。
マイケル・ムーア監督のSiCKOで有名になりましたが、アメリカでは皆保険制度はないそうです。高齢者と障がい者を対象としたメディケアと低所得者を対象としたメディケイドがあります。
なので、普通の会社員などは、民間の医療保険に入ることとなります。
民間医療保険の場合、医療費の申請が通るとおらないで問題となることがあり、この部分をSiCKOではとりあげられています。
さて、今回のCEAが提唱するのは、連邦政府などの公的な医療保険関連費用のことと思われます。すなわち、民間医療保険はあんまり関係ない(はず)。
よって、医療費を削減することは、メディケアやメディケイドの対象となる人への医療費を削減することになるのではないかと思われます(そんなことないかもしれませんが)。
金融機関には公的資金を投入し事実上国有化したりしてるし、その引き金となったサブプライムローンも低所得者に対する住宅ローン貸し出しが発端となった。
さらに、その低所得者層の医療費すら取り上げようとしているのだから、自由の国というのは恐ろしい国。
薄く広く、米国内から集めた資金を金融機関に集約させていくという仕組みを、医療の分野にまでさらに広げようとしているのではなかろうかと、勝手に想像せざるを得ません。
では、我が国がそれに関係するのかというと、民間医療保険会社にどんどん外資が投入されていますし、簡易保険も民営化によって外資が入ってくるはず。
医療費という生命に関わる資本流通が、海外に向かった金融流通に飲み込まれるならば、不況によって制度に更なる破綻を生じかねません。
報告書よんでも英語の文章ばっかりでたいへんですが、もそっと詳細に読みたいと思います。
(それにしても、報道は報告書の最初の方を日本語に訳しただけじゃないかと、こういう原文にあたるとわかりますねー。メディアリテラシーも身につけなければなりませぬ。)
米国、医療改革でGDP8%増 経済諮問委が報告書
アメリカと日本の医療保険制度(概要)
THE COUNCIL OF ECONOMIC ADVISERS
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